2015年6月2日 ダルク家族会での講演(東北会病院 奥平医師)

アディクション(嗜癖)とは?

アディクト=虜にさせること
アディクション=習慣行動(日常の行動)欲求を満たす

  • 執拗にその行動を繰り返すこと
  • やりたくなると止められない
  • やらなければならないという強迫観念
  • その結果、心身、生活に支障をきたすこと

 

昨年の9月〜12月に薬物関連疾患の実態調査を行ったところ、
1位 覚せい剤
2位 脱法ドラッグ
3位 向精神薬

 

が上位を占め、中でも脱法ドラッグがここ数年で急浮上しています。

 

アディクション(嗜癖)の種類と特徴

物質嗜癖 アルコール依存症

薬物依存症(覚せい剤・大麻・コカイン・有機溶剤・ヘロイン・脱法ハーブ) 処方薬(抗不安薬・睡眠薬・鎮痛薬など)

行動嗜癖 過食症・ギャンブリング嗜癖・窃盗嗜癖・インターネット依存症・買い物嗜癖・恋愛嗜癖・抜毛嗜癖・リストカットなど
人間関係嗜癖 親・配偶者などとの共依存

 

アディクションの背景

なぜ自己破壊的行動を続けてしまうのか

・生物的要因

使い続けているうちに脳が慣れてしまう。

・社会的(環境的)要因

簡単に手に入ってしまう。

・心理的要因

その薬物(嗜癖行動)はあなたに何をもたらしたのか。

  • イライラが静まる
  • 人と上手く話せる
  • 活力がわく

 

人間はストレス時に対処する能力があります。

その対処の仕方は
1、自己対処(セルフケア)・・・・・楽しむ、リラックスする
2、救助行動・・・・・周りの助けを求める。相談する。
この両方をうまく使いながら対処しています。

 

これらの対処ができないとどうなるか

・薬物に頼る。その効果とは・・・・

薬物が切れると不安になるから使い続ける。結果人との交流を避ける一方で、孤独を恐れる。
家族から叱られるが疎ましく感じる。
依存が進むと薬の効果が薄れるので、余計にイライラする。
真逆の効果が出る(人に対して無関心になる。自分を信頼できなくなる。孤独になる。責任を果たせないから、社会に適応できなくなる)

 

薬物の効果は大きく分けて2種類あります。
です。
静(怒りや攻撃性に対して対処する) : ヘロイン・モルヒネ・アルコール・鎮痛薬・睡眠剤など
動(抑うつ状態、空虚感からの脱却のため) : 覚せい剤・脱法ハーブ(これは様々な作用があるので特定できませんが、私の息子はこっちの方でした)

 

※脱法ドラッグは今や狐と狸のような状態で、違法になった種類をいち早く察知し、これでもかと新しい種類のドラッグが出回っています。法の目を掻い潜って作られる、様々な危険なドラックです。症状は入っている種類によって様々であり、最悪の場合は意識不明になり死をも招きます。

 

アディクションはSOSの表現です

人間は生き残るために、そして危険を察知した時には様々な行動を起こします。
その一つが「アディクション(嗜癖)」です。
これは生き残るために必要な行動であり、自らが自らを治療しようとする姿です。
このような行動に出る理由は
・基本は対人恐怖があること
・人間に対して強い愛着と強い不安を抱いていること
・そしてアディクション(嗜癖)は救命浮き輪であること。浮き輪なので、一時しのぎです。だからすぐにダメになり、また新しい浮き輪を求めるのです。

 

治療をする

1、断薬・・・・・自己治療を止めて自分の力を取り戻す
2、適切な対人関係をもつ・・・・・つながりを持つ(自助グループ・ダルク・ナラノンなど)ストレス処理の方法を獲得する。

※つながりがない場合、スキップ(再使用)し、ドラッグの種類も変わる場合があり、精神疾患になる恐れもあります。